各地で学校給食センターの建て替えが動き出しています。整備の手法には、民間の資金とノウハウを活用するPFI方式や、設計と施工を一括して発注するデザインビルド(DB)方式が採用されるケースが増えています。これらの方式では、壁や天井の内装仕様は、自治体が示す「要求水準書」を踏まえ、事業者グループの提案と設計を通じて具体化されます。今回は、直近の動きと、この方式で内装材が選ばれる場面を整理します。
直近の動き:千歳市、紫波町、郡山市
- 北海道千歳市:新学校給食センター整備運営事業(PFI)で、2026年9月14日に落札者を決定。2グループが提案し、シダックス大新東ヒューマンサービスを代表とするグループが落札。構成企業に岩倉建設、千歳建設、中西製作所など、協力企業に大栄建築設計事務所など。落札金額は約112億円
- 岩手県紫波町:新学校給食センターで2026年10月13日に起工式。国の交付金を受けたことからPFIからDB方式に変更し、2027年11月の完成、2028年1月(3学期)からの給食提供開始を予定。設計は中居都市建築設計、厨房は中西製作所が参画
- 福島県郡山市:老朽化が進む「中学校給食センター」と「中学校第二給食センター」を統合し、2028年度の供用開始に向けてPFI(BTO)方式で整備
内装の仕様は「要求水準書」と「提案」で決まる
従来の設計・施工分離の発注では、自治体が設計事務所に設計を委託し、設計図書で内装材の仕様を定めるのが一般的でした。PFIやDB方式では、自治体は「要求水準書」で満たすべき性能(衛生、耐久、清掃のしやすさ、維持管理など)を示し、具体的な材料や納まりは事業者グループの設計者が提案します。内装材の選定には、グループの設計事務所や施工会社を中心に、厨房メーカーが関わることもあり、最終的な仕様は要求水準や設計協議を踏まえて決まります。
事業者側から見ると、審査基準は案件ごとに異なりますが、提案段階では次のような点が検討の対象になります。
- 衛生性と清掃性:平滑で継ぎ目の少ない壁・天井、洗浄や消毒に耐える素材
- 工期の確実さ:開業時期が契約で決まっているため、内装工事の工程が読めること
- 長期の維持管理:事業ごとに定められる維持管理・運営期間を通じた美観と補修のしやすさ
提案で使いやすい、規格パネルという考え方
パネラマは、ステンレスなどの金属表面材を使った規格パネルです。下地に貼るだけで施工でき、目地は表面材と同じ素材のカバーで覆う構造のため、汚れや水が入りにくくなっています。規格品なので、提案段階で数量と工程の検討を進めやすく、開業時期から逆算した工程に組み込みやすいことが期待できます。工期と維持管理が重視されるPFI・DB方式の案件で、検討しやすい内装材の一つです。材質はSUS304・SUS430のほか、耐指紋性のある表面材も選べます。
給食センターや厨房の提案で内装仕様をご検討の設計事務所、厨房メーカー、施工会社の皆さまには、要求水準に沿った仕様のご提案と、数量・工程の概算をお手伝いしています。
ご不明な点は、AI相談またはお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
※本記事は、千歳市「落札者の決定について」(2026年9月14日)、紫波町「新学校給食センター整備事業について」(2026年10月13日)、教育家庭新聞(郡山市)をもとに、2026年10月27日時点の情報で構成しています。
